印刷に必要な解像度とピクセルサイズ
印刷原稿を作成する際の画像解像度
画像解像度は、印刷機のスクリーン線数の2倍を目安に設定します。
通常のオフセット印刷物のスクリーン線数は175線(lpi)ですので、350ppiの解像度で作成して350dpiで印刷する印刷物を標準と考えてください。(ただし、最近は210線、280線の場合も増えています。A4サイズのチラシなら420ppiで作成するようにしておいても良いでしょう。)
目的別適正解像度
目的 | 線数(lpi) | 適正画像解像度 |
---|---|---|
新聞(モノクロ) | 85線 | 170 ppi |
新聞(カラー) | 100線 | 200 ppi |
オフセット印刷 | 175線 | 350 ppi |
オフセット印刷 | 210線 | 420 ppi |
高精細印刷(写真集など) | 200線以上 | 400 ppi 以上 |
グラビア印刷(凹版印刷) | 200線以上 | 400 ppi 以上 |
モノクロ2諧調印刷 | 線数に関わらず | 600 ppi 〜 1200 ppi |
ポスターや看板など、ある程度離れた距離で見る印刷物については、大きさと距離によって上記よりも低い解像度で制作しても構いません。
例えば、B3サイズの中吊り広告なら300ppi、B2サイズの屋外用ポスターなら200〜250ppiでも、近くで見ないのであれば「粗いなぁ」とは思われないでしょう。ただし、同じB2ポスターでも個人の部屋の中に貼って見てもらいたい場合は300〜350ppiで制作する方が良いでしょう。
また、B2サイズで制作した版下を使用してB1サイズでポスターを制作するような場合もあります。B1サイズで印刷された場合に250ppiくらい欲しいと考えるのであれば、B2サイズでも350ppiの画像を用意した方が良いですが、B1で180ppiでOKならB2で250ppiで制作してもOKです。
どの程度の解像度のものを用意するかは、目的と使われ方によって異なります。
この授業では、最終的にはA2サイズやB2サイズのポスターを制作しますので、イラストレーションのスキャン時にはA4+塗り足しサイズ(216×303mm)で420ppiを目処にして制作しておいてください。写真はそのカメラで撮影できる最も大きいサイズのJPGとRawデータの両方で撮影します。
Photoshopで新規作成する場合の設定の方法
Photoshopで新規画像を制作する場合、幅と高さと解像度を設定できます。
プリセットを「日本標準用紙」にしてサイズを選択すると仕上がりサイズが示されますが、これは塗り足し分の3mmを含んでいませんので注意してください。幅と高さに6mmずつを加え、解像度を420pixel/inchに設定してスタートしてください。
▼印刷用の塗り足し分を含まない設定:使用しない
▼印刷用の塗り足し分を含んだ設定:こちらを使用する
スキャンする際のピクセルサイズ
手描きで制作したイラストをスキャンする場合のピクセルサイズの参考例を下記に示します。
仕上がりサイズ+各辺3mmずつの塗り足し分を加えています。
仕上がりサイズ | 制作サイズ | 解像度 | ピクセル数 |
---|---|---|---|
A4(210 × 297 mm) | 216 × 303 mm | 420 ppi | 3572 × 5010 pixel |
A2(420 × 594 mm) | 426 × 600 mm | 315 ppi | 5283 × 7367 pixel |
A2(420 × 594 mm) | 426 × 600 mm | 263 ppi | 4411 × 6150 pixel |
B2(515 × 728 mm) | 521 × 734 mm | 263 ppi | 5365 × 7600 pixel |
B2(515 × 728 mm) | 521 × 734 mm | 210 ppi | 4307 × 6069 pixel |
上記は、チラシやポスターの画面全体にイラストを使用する場合のサイズです。
イラストを部分的にしか使用しないのであれば、仕上がり時に使用するサイズを指定して、解像度を(A4用なら350ppi以上、A2用なら250以上、B2用なら200以上を目安に)設定してスキャンしてください。
ただし、ラフなイラストを使用するのであれば、上記の限りではありません。制作したイラストの雰囲気に合わせる方が良いので、使用したソフトが対応している解像度の上限が上記より低い場合は無理に解像度を上げる必要はありません。
Comment(0) | 2018.04.19[木]5:00 PM | プロジェクト演習,共通