2012年の手帳

今年は荷物の軽量化を図るために、2006年からずっと使ってきたお気に入りの「ほぼ日手帳」をweeksに変えてみました。
実は12月中旬くらいから使ってます。

今年の手帳

ほぼ日手帳のお気に入りなところは、日々の言葉が書かれているところ。weeksは昨年から気になっていたのだけど、この欄がなかったので踏み切れなかった。今年のは週1だけどこの欄ができたので変えてみる気になれた訳です。
なかなか良いことが書いてあるのよ。例えば今週と来週は…。

今から考えたってわかりゃしないよ。
結果は結果だ。
結果にこだわるから何もできなくなる。
それがいちばん愚劣なことなんだ。
────岡本太郎さんの言葉『TAROのひとこと』より

人が見ているのは、人間性です。
ほとんどの仕事で問われているのは、
それがすべてではないでしょうか。
優秀なのかどうかよりも、
「この人には報いてあげたいなぁ」という思いやりが、
現実に人を動かしている。
────斉須政雄さんが『調理場という戦場。』の中で

twitterでお気に入りのBOTをフォローしておく人が多いのも同じ気分なんだと思う。
日常ってどうしても流れていっちゃうから、時々さりげない気づきを与えてくれるものが必要なんだな、多分。

「庵」で京町家ステイ合宿

昨年6月に、リンク・コミュニティデザイン研究所の由井真波さんを講師にゼミ合宿を行いました。
タイトルは、<町家de車座談会「地域と対話するデザイン」>。

京町家合宿

この時期は丁度就活まっただ中で面接に行っている学生も多く、合宿に参加できた学生は9名でしたが、他に座談会後に帰宅した3年生1人と教員が2人、東京のホテルからSkype参加した4年生が1人、車座談会の前にみんなで見学とプレゼンに行ったオーバルプランからゲストが1人。吹き抜けの台所とひとつながりになった食堂の大テーブルでたくさんの資料を次から次へと見せていただきました。

京町家合宿

京町家合宿

地域の魅力を発掘するワークショップを通じて、顔の見えるデザインをずっと実践して来られた由井さんならではの、リアルなお仕事の記録は、すっごい迫力がありました。

・花博サイン計画
・山背古道プロジェクト
・井手町まちづくりセンター
・庵 京町家ステイ事業
・小値賀を暮らす大人の旅 等

京町家合宿_110622

写真の場所は「庵」の西押小路町京町家。http://www.kyoto-machiya.com/nishioshikoji.html
お風呂2つとトイレ3つの、街中なのにゆったりと大きなお家でした。

京町家合宿_110622

iPhone用接写レンズを買いました。

カメラ付きモバイル向けコンバージョンレンズ:ClipShotっていうガジェット。
iPhoneにはクリップで取り付けできるようになっています。

ClipShot

近いところが見えにくくなってきたからねえ(^_^;
ClipShot、思った以上によく見える。ほんと、ちっちゃいからって侮れません。
下の写真は、上の写真でClipShotを乗せている今年の手帳の12の部分。手触りまでわかるでしょ?

ClipShot_photo_1

次は今年の年賀はがきのマークとロゴ部分の拡大。(クリックで拡大します)
ちょっと見だとマークもロゴも両方黒ですが、実は4色の写真版にしてるところと、K100のテキスト部分は違うんですよねぇ。いえ、だからどうってことは別にないんですが。

ClipShot_photo_2  ClipShot_photo_3

ついでにその辺にあった雑誌も撮ってみました。
ピント調整がちょっと難しくて合わせ切れないのが少し悔しいのだけど、1700円でここまで見えたらパフォーマンスOK。誰かアダプタ作ってくれないかしらん。でもって、印刷チェック用のルーペと網点分析ソフト付きのアプリとかどうでしょうか?そのくらい、もうあるのかなぁ?

ClipShot_photo_4  ClipShot_photo_5

携帯ストラップ

夫の実家にお年始に行き、手芸好きの義姉から今年の手作り作品をいただきました。
ビーズでできています。表は白猫・裏はお花のデザインです。

猫の携帯ストラップ

以前近くに住んでいた時は洋裁とか料理とかいろいろ教えてもらったのですが、ちょっと家が離れちゃったので最近は年に数回しか会えません。
もう少し近所だったら私ももうちょっと料理上手になっていたかもしれませんが、、、

Outputの年に

新年おめでとうございます。

昨年の年賀状はちょっと暗かったので、今年は思いっきり明るいデザインにしました。

年賀状2012

このデザイン、見たことある人は(ごく少数ですが)見たことありますよね(笑)
実は、昨年のヒューマンインタフェースシンポジウムのポスターにオーバルプランから応募したものをリサイクルしたものです。

HISシンポジウム2011 ポスターデザイン案

昨年の卒業式の日に起こった大震災。
晴れやかなパーティーでお酒を飲みながら津波の映像を見てしまった。
誰にとっても忘れられない日になった3.11。
何ができるんだろうと考えてきた2011。

ボランティアで現地に行こうと何度も誘われたりもしたのだけれど、体力全然ないし、現場で役立つような技術ないし、わがままだし、恐がりだし・・現場派ではないとつくづく実感した日々に、「ポジティブ」をテーマに東北で開催されるシンポジウムのポスターを考えるのは、自分にとってはちょっとだけ救いになりました。

もともと2011年のシンポジウムは東北大学で開催予定でテーマも最初から「ポジティブ」でした。最初のサムネイルを作ったのは3月8日で震災直前。自分で見ても「テーマ、ポジティブ?うん、まあ、そうだよね。」っていう範囲のデザインですね(笑)

HIS2011ポスター デザイン案  HIS2011ポスター デザイン案

ま、サムネイルはともかくとして・・・
震災後、一時は東北での開催も危ぶまれたものの、HISシンポジウム2011は場所を変えて仙台国際センターで開催されました。残念ながら後期授業の初日とかぶってしまって行けませんでしたが、盛況だったようです。

ポスターのコンセプトシートに書いたテキスト、再録しておきます。

離れた人やモノをつなぐこと。
それがインタフェースの役割。

多くの地域が被災し、
多くの人やモノが分断された今だからこそ、
より豊かに、より暖かく、
私たちはつなぎ直さなくてはならない。

ネットワーク技術を携え、
ポジティブな希望と意志を持って、
人の力をつなぎ、
人の心を支えあう、
そんなヒューマン・インタフェースを考えよう。

そんなこんなで今年の初ブログは年賀状の背景をご紹介してみました。
できそうだと思ったことにちょっとだけでも参加しつつ、毎日を誠実に過ごしていきたいと思っています。

旧年中はいろいろお世話になり、ありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

あ、ちなみに、ヒューマンインタフェースシンポジウム2011で採用されたポスターは、オーバルプランの川上修平さんデザインのカリグラフィー案でした。こちらは、「ポジティブ」というテーマを全面に出した、力強くて素敵なデザインです。

HIS2011ポスター 採用案

このポスターのもうひとつすごいところは、印刷しないでPDFで配布したところ。必要に応じて必要なサイズで必要な数だけ出力してもらう。これも一つのデザイン提案だと思いました。
 

ありがとう Steve Jobs

初めて触ったリンゴはMac Plusだった。
Mac Plusはほわんとしたクリーム色で、食べかけの虹色のリンゴがくっついていて、まるでおもちゃみたいだった。
会社におねだりして買ってもらった2台のうち、1台は私の机の上にやってきた。
このリンゴはまともなデザイン作業なんてまだ何にもできなくて、色だって白いドットと黒いドットの2色しかなくて、ドットインパクトプリンタで出力したOSAKAフォントは12ドットとか24ドットとかのガタガタで、OSもアプリもフロッピーディスクに入っていて、ガチャンガチャン抜き差ししながら起動させてると「こんなんで何か役に立つの?」なんて言われたりもしたけど、「このリンゴがあればきっと何だってできる!」って確信を持つことができた。

初めて自分で買ったリンゴはMac Ⅱcxだった。
退職金を全部使っても足りなくて、最初からついてきたHyper Card以外のソフトはDirectorだけしか買えなかった。最初に作ったのは、辞めた会社へのありがとうメッセージの動画。Hyper Cardのスタックもいっぱい作ったなぁ・・・。もう多分中を見ることはできないだろうけど、Mac Ⅱcxだけはどうしても捨てられなくて、今でも押し入れで眠っている。

あれから何台のリンゴのお世話になってきただろうか?
デスクトップも、ラップトップも、電話も、タブレットも。
グラフィックデザインもUIデザインも、私にはリンゴなしには考えられない。
Jobsがアップルを去っていた間にどんどんデザインが悪くなるのを悲しい思いで見ていたので、帰ってきてくれた時には本当にうれしかった。

でもね、もういい。お疲れさま、Jobs。ありがとう、Jobs。
Jobsが与えてくれたのは、モノの価値でも機能の価値でもない。
デザインすることの楽しさと意味を教えてくれたことが一番大きいんだよね。
どうもありがとう Steve Jobs。
もうちょっと頑張ってみる。

謹賀新年

年賀状2011

155.3の世界

柳小路ワークスペース【 ku-kan 】で開催中の「155.3の世界:さんにんをたしてわったらこうなった。」に行ってきました。

今年の春の卒業生3人による展覧会。タイポグラフィー作品で卒展来場者アンケート1位を獲得した奥村志保さんの「京ことばはんなり促進計画」、パッケージデザイナーを目指す松田佳子さんの「想いをカタチにかえて贈る」ためのポップアップボックス、細部まで繊細に作り込む岩本恵実さんの「花粉症対策アイテムの提案」。

卒業後わずか半年での3人展。元同級生たちの暖かいサポートを受けながら、それぞれに自分の得意分野で一回り大きくなった姿を見てとってもうれしかった。

155.3の世界

「155.3の世界」展覧会サイト:http://155comma3.wordpress.com/
会期:10月27日〜11月7日まで(月・火定休)13:00-19:00 
場所:柳小路ワークスペース【 ku-kan 】:四条河原町交差点から徒歩3分

現実(超)拡張

Augmented (hyper)Reality: Domestic Robocop from Keiichi Matsuda on Vimeo.

この動画を見て、身体性の獲得と消失は同時進行的に起こり得るものだと改めて感じました。

ARは、使い方次第で身体の限界を拡張したり、失われた自由を再度手にするために相当役に立ちそうですが、一方で、Max Headroomで妙な薬入りのハンバーガーを食べ続けながらカウチでバーチャルなTV世界に入り浸ったまま帰ってこなくなってしまった老人達の夢の世界を思い出しました。

ブランディングレイヤーの可視化もこの動画の大きなテーマのようです。
AR(Augmented Reality)は拡張現実と訳されますが、情報はずっと以前から確実に現実にオーバーフローして来ています。
振り返ると、CI・VIの手法で管理されたロゴマークが商品のパッケージに印刷され、大きな電飾看板が街角のビルに取り付けられるようになった時点で、既に私たちの周りにはブランディングレイヤーが張り巡らされていたとも言えます。それが物質を纏う必要がなくなって更に過剰に主張しはじめる可能性を見せてくれています。
ちょっと前まではメディアアートとして認識されていた世界が、一気に広告等の結構泥臭い世界に持ち込まれてくる。ある部分ではビジネスチャンスが確実に生まれるのだろうけど、人間にとってはノイズ量が格段に増加して疲れちゃいそうに感じます。TVとかPCモニタとかのフレームがあった時には静謐なCMにだって意味があったし、うるさいCMが続けばそこから目を逸らしさえすれば良かったのだけど、逸らした先にもその行為自体をトリガーとした新しい情報が表示されたりすると相当鬱陶しい。。。

メディアリテラシーという言葉についても、使いたい情報をどれだけ上手に利用できるかどうかという意味の比重よりも、利用したくない情報をいかに適切に遮断することができるかという意味の比重の方が高くなっていくのかもしれません。

また、自然な動作をそのまま受け入れるユビキタスでタンジブルなインタフェースは、曖昧性をどこまで受容すべきかをより一層問われていきます。現実をそのままラフに操作できるようになることは、注いだお湯がこぼれるとか、指示した覚えのない扉を開いてしまうなどといった危険とユーザーをダイレクトに隣合わせにさせてしまう可能性をも持ってきますから。制限だらけで融通の利かないGUIというのも私たちをそれなりに混沌から守ってくれているのかもしれないって、逆に実感できました。

梅原真さんの講演会

「砂浜美術館」「鰹のたたき」「84プロジェクト」などで知られる、グラフィックデザイナー 梅原 真 さんの講演会が開催されます。

  • 日時:4月17日(土)15:15〜18:30(15:00開場)
  • 場所:滋賀県立大学 交流センター ホール
  • 入場無料

基調講演 15:15-16:45
「地域のDNA 足元にある宝物へのまなざし」
梅原真(梅原デザイン事務所主宰)

パネルディスカッション 17:00-18:30
「地域プロデューサー論 地域の価値創造に求められること」

コーディネーター:印南比呂志(滋賀県立大学 人間文化学部 教授)、パネラー:梅原真、富田泰伸(富田酒造)、山田浩之(陶芸作家、信楽ACT代表)山形蓮(滋賀県立大学大学院 近江楽座学生委員会)

梅原さんの活動については、日経ビジネスに連載されていた「シアワセのものさし」に 詳しく紹介されています。『一次産業と地域に関する仕事しか受けない。大企業の依頼も断っている。それでいて、この人が関わると、どんなプロジェクトの成 功してしまう。』…そんなデザイナーの講演会です。湖族の郷プロジェクトなどを通して地域とデザインの接点に興味を持ったり、その難しさを実感した経験の ある学生の皆さん、地域プロデューサーってどんな仕事なんだろうと思っている学生の皆さんは、ぜひ参加してみてください。

チラシには申込み必要と書かれていますが、当日参加でも大丈夫だそうです。

梅原真講演会