iOS7

Appleの新OSが、6月10日のWWDCで発表されました。

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iOS7、私はもっとドラスティックに変更されるのかなぁと思っていたので、最初に見た時には正直言ってちょっと物足りなかったです。ホーム画面の背景が単純なパララックスになっているのは、なんだかチープでおもちゃっぽいなあと思いましたし。。。

でも、よく考えるとこのくらいの方がわかりやすいと、だんだん納得してきました。

今流行りのフラットデザインは、単に見た目の形や色の変更じゃなくて、奥行きや広がりを情報空間に利用するための準備だと思っています。俯瞰と拡大の行き来や、レイヤーの重ねあわせや潜り込み、天から・地から・横から・裏側からの見方を行きつ戻りつするような関係性を検討する思考や表現、コンテンツとコンテキストを重視するための手段としての層化UIには、ボタンやインセットなどの物質的な立体感はちょっと邪魔になるので。

「クリックでページ遷移」の基本概念を一旦リセットして新たな空間概念を再構築するためには、これまでの操作画面を一層化する形でフラットデザインを経由した方がやりやすいんだろうと思います。

期待していたほどの極端な変化ではなかったものの、UIの層化構造の概念モデルをコントロールセンターや通知センターで示してくれたという感じですし、UIレイヤーとコンテンツレイヤーの上下の入れ替えや潜り込みなど、標準アプリの中に取り込んでガイドライン的に用意してくれた感じ。(…というか、むしろ、ここまで自然に移行していくのかと感慨深く感じてしまうのは、やっぱり私がAppleファンだからなんだろうけど)

マウスを介する操作(クリックする:押す・選択する)からマルチタッチ操作(広げたり・掘ったり・掻き分けたり・ずらしたり・かぶせたり…といった)へ、これまでより一段とタッチパネルディバイスに適合させていくんだろうなぁ…と感じた新OSの発表でした。

YouTubeに公開されていたmegalopolis4さんの大阪弁解説を下記に。

元の紹介画面はここ > Apple – iOS 7 – Introducing – HD

Apple – Apple Events – WWDC 2013 Keynote
Apple – iOS 7

また、AppleからiOS7への移行ガイドラインも発表されているようです。まだガイドラインの中身は読んでいないのですが、Teck Crunch Japanのこの記事には、iOS 7向けアプリ開発の原則がリストアップされています。

この中でも、<UIアイテムや、テキストなどのコンテンツ要素のサイズや位置について、具体的に指定するのではなく、状況に応じてシステムから自動生成されるようにする>という部分は、デザイナーにとってとても重要だと感じました。Auto LayoutやDynamic Typeは、現在のIllustratorやPhotoshopのようなツールではデザインしきれない部分です。数年前から言われてきたことではありますが、いよいよデザインツールやプロセスを見なおさないといけない状況になってきた感じがします。