プロトタイプ展・医学と芸術展 ・松丸本舗

プロトタイプ展
東京ミッドタウン・デザインハブ
展示の手法がプロトタイプ展らしく、展示台になっているシナベニアにどの段階でのプロトであるとか、こういう意図で作成したとか、この辺の色の具合を再調整とかっていう解説が手書きで書かれていました。それぞれの出展者が展覧会コーディネータの指定を割と自由に解釈して記述されており、手書き文字の癖とともに人柄がでているというか、見ていて楽しかったです。
私は家電製品のインタフェース系のプロトタイプを期待していたのですが、そういう展示はほとんどなくて、家具中心だったのは少し残念。
丁度隣にあった九大のサテライトスペースでサイン学会が行われており、友人にばったりと出会っちゃったのにはびっくり。多分15年ぶりくらい。

医学と芸術展
森美術館
なかなか手が動かない仕事の参考にならないかと思って行った「医学と芸術展」。
「第1部:身体の発見」「第2部:病と死との戦い」については面白い資料や作品がいろいろあったのだけど、「第3部:永遠の生と愛に向かって」が若干期待はずれ。
「バイオテクノロジーやサイバネティクスや脳科学などに基づき・・・・生命とは何であるのかを医学資料やアート作品を通して考察します。」と書かれているのに、死や老化や障碍をテーマにした作品が並んでいるだけで、医学資料的な展示が少なく、バイオ医学はどこまで行ってもいいのかという倫理的な側面くらいしか印象に残らない。だからといってそこに焦点が絞られているわけでもなくて、なんだか散漫な感じ。
ダ・ヴィンチに始まる解剖学的な筋肉や骨格のメカニズムに関する表現の歴史は重要だし、生老病死や医学・科学をエロティシズム的観点から眺めた捉え方もあっていいとはもちろん思うんですが、展示の仕方のぶれなのか、第3部まで見終わっても「生命と愛の未来を探る」という副題に収斂されていっていないような印象をうけました。身体情報のセンシング技術や可視化の技術についてもっと見たかったんだけど…。

松丸本舗
丸の内オアゾ4F
空間の作り方がちょっと息苦しいくらいに迫ってきます。先に行った友人に聞いていたとおり、まさに松岡正剛さんの書斎に入っちゃったっていう感じ。展示の仕方は流石に面白くて、何時間いても飽きそうにない。
ただ、人の書棚から本を勝手に抜き出すような気がして、申し訳なくて買いたい気持になりにくいというのも友人が言っていた通り。