「雑誌」というメディア

マリクレール、スタジオボイスと個性的な雑誌の休刊が相次いでいます。

紙媒体は紙媒体で何とかして生き残って欲しいと思いますし、いずれにしても無くなることはないだろうとは思うのですが、「雑誌」という形態が持っているメディアとしての力が、ネット上にきっちり移行しているかというと、それはちょっと怪しい。

雑誌と同じタイトルのWebサイトがあるからと言って、Webで目次掲載して「続きは本誌で」とか、「ネット連携企画」とかっていうのは、「雑誌」というメディアの力の本質とはちょっとずれているような気がします。

紙は紙でしっかり頑張ってもらうとして、ネット的には、

  • 良い編集者とそのネットワークが可視化されるための枠組み
  • その存在の枠組みとしての最適ボリュームでのファインダビリティ

の両方が必要なんじゃないかと思います。

今の検索システムって、サイト単位の大きなまとまりか、記事単位での最小限のまとまりか、そのどちらかしか上手く拾えない感じがするのですが、サイト単位だと一旦「最新のボリューム」から入ってアーカイブブロックを探さなくちゃいけないし、記事単位だと大きな視点の「編集価値」を受け取れない。

GoogleやYahoo!が検索手法のフレームワークとして検討しているんだろうけど、それだけじゃ多分足りない。
「雑誌」くらいのボリューム感でしかも「雑誌」的なタイムスケール感で、時代性のある情報を上手く編集できる能力のある人が、 雑誌メタファーではないサイト構築手法を発明していかないといけないと思う。
ネットの「便利」をひとつひとつ検証してどっかで捨てることも含めて、単にコンテンツを組み換えるだけじゃない何かが必要。